子どもにSNSをやらせていいのか
こんにちは、いったです。
みなさんにとっての「居場所」はどこでしょうか。
やっぱり自分の家、という方もいれば職場のほうが落ち着くという方もいるかもしれません。
実は最近では、SNSが自分の居場所になっている方も増えているようです。
内閣府の2016年の調査では、15歳から29歳の若者の約6割はインターネット空間を居場所だと感じていることが分かりました。
居場所とは
2006年の小・中・高校生を対象にした研究では、小学校6年生以上の児童・生徒が「自分の居場所」だと思っている場所の1位は自分の部屋、2位は家でした。
その理由で多かったのは何だと思いますか?
なんとなく自分の部屋や家というと、好きなことができるとか自分の時間が持てるとか人を気にしなくていいというようなものが挙がりそうな気がしますよね。
確かに、これらの理由も挙がりはしたのですが、それよりも挙がったものがあるんです。
それは、満足する,自分を本当に理解してくれる人がいる,悩みを聞いてくれるひとがいるといったものでした。
つまり、子どもにとって居場所とは、精神を安定させてくれるところであったり受け入れてくれるところのことなんです。
SNSは居場所になるのか
SNSの利用時間の長さと、SNSを居場所と感じるかどうかには相関が見られた。
つまりSNSを長い時間使っている方は居場所だと思っていることが多いということです。
しかし、マイナス面として、依存傾向もあがるという報告がされています。
一概にSNS依存が悪いとは言えませんが、子どもが1日中SNSをやっているというのはあまりうれしいとは思えないと思います。
SNSの利用方法をどう伝える?
居場所となりえる一方、依存してしまう可能性もあるSNS。
子どもにどう使ってもらうのがいいのでしょう。
なんとなく悪いイメージが先行してしまうところもありますが、実は自己肯定感をあげる効果があることもあることが分かっています。
そのためには、友人関係を維持するためにではなく、自己表現をする場(良い出来事のシェア)として使うのが良いようです。
友人関係を親に見られるのはなんとなく気が引けるでしょうが、自己表現であれば問題ないでしょう。
子どものSNS使用について気になるのであれば
1.自己表現(良い出来事)のシェアのために
2.1フォロワーとして
3.他人のために時間を使わない
このあたりを守ってもらえるように伝えておくのがいいのではないかと思います。
もちろん、その他にネットリテラシーについても伝えておくことは重要です。
少なくとも大学生くらいになるまでは、私のように、不用意にYoutube等に顔をあげるのは避けさせたほうが賢明かもしれません。
上手な距離感を保てるように話し合いってみてもよいでしょう。
参考文献
橋本 かりん・山田 智之(2020). SNSの利用態度が大学生のインターネット依存及び自信に与える影響 上越教育大学研究紀要, 39(2), 417-425.
杉本 希映・庄司 一子(2006). 「居場所」の心理的機能の構造とその発達的変化 教育心理学研究, 54, 289-299.
夢の入り口までは連れて行ってあげてほしい【持論】
こんにちは、いったです。
突然ですが、私の夢は世界平和です。
もちろん自分の力だけで出来るとは思っていませんし、死ぬまでに達成できるとは思っていません。
ではなぜこんなことを言っているのかというと、夢を「叶えたいもの」ではなく、諦めたくないものという位置づけにしているからです。
子どものころの夢って?
私は10数年前から世界平和を夢にしています。半ば言い続けているために愛着がわいて、もうちょっとやそっとでは変えられないような気持ちです。
しかし、子どものころの夢、というとあきらめた前提で話が進むことが多々あります。
これはなぜなのでしょうか?
私の持論では、夢に対して愛着が湧かなかったからだと思っています。そしてその原因は、大人や社会からは抽象的な情報しか手に入れられないからではないかと。
例えば、子どもが「お花屋さんになりたい」と言ったとします。
それに対して、「じゃあお花の勉強いっぱいして、お金もためないといけないねー、一緒にがんばろう!」と返します。
子どもの~~になりたい!は一過性のもので、頻繁に変わることはよくあることですが、この返され方ではその”夢”に対しての愛着がわきません。
今は何でもできる
お花屋さんは将来まで待たないとできない仕事でしょうか?
今の時代はそんなことはないはずです。自宅でお花を育てて売るもよし、買ったものをアレンジするもよし、ドライフラワーやハーバリウムのようにしてもいいですよね。
愛着が湧くかはわかりませんが、少なくとも子どもは自分で”夢”といったことの疑似体験(疑似でもありませんが)ができると思います。
学校の先生でもそう、消防士でもそう、警察官でもそう。すべての仕事は体験できなくても、その職業のひとがやっていることの疑似体験はいくらでもできます。
体験施設に行くわけではありません。例えば
・夢が学校の先生
習った範囲を説明する動画をとってためておいて、友達や近所の年下の子に見せる。
・夢が消防士や警察官
夕方、毎日一緒にパトロールに行く。困っている人を助ける。
・夢がE-Sportsの選手
戦っている動画を動画サイトにあげてみる。
などなどです。
夢はあっても心配、なくても心配
子どもが夢を持っていないと将来のことを心配してしまいます。反対に日ごろから口に出す夢があっても、それが難しそうなものや想像できないものでは余計に心配になったりします。
何かをしたいといったとき、本当にその道で大丈夫か、本気なのかというのは気になるところです。
だからこそ、今の時代の特徴を生かして、体験させまくってみたらいいと思います。
お店屋さんであれば損得勘定は必須ですから、「これにいくらかかってこれがこう売れたね」とやれば算数の勉強もできます。
公務員系の仕事(教師、警察など)であれば、どうしたらみんなに喜んでもらえるかを考えたりすることで心情理解の練習にもなります。
お父さんお母さんの負担も確実に多くなることは間違いないですが、たぶん、めっちゃ楽しいと思いますよ。
子どもとって夢とは
子どもが「夢」という言葉を使って表現するとき、それは行き方のわからない場所のことです。見えているのに道がわからないこともあれば、見えてすらいないこともあるでしょう。
そんな子どもにとって未知の世界である「夢」の場所を、お父さんお母さんは見に行くことはできます。大人パワーにかかれば、どの辺にあるのか、どんな道があるのかくらい調べることなどちょちょいのちょいです。
その夢の入り口に、ぜひ連れて行ってあげてください。
こんな道絶対無理だと思うものこそ、早いうちに見に行ってください。
子どもは小さい頃は体が柔らかいので、転んでも大きなけがはしません。そして、そんなに本気じゃなかったら転んだとたん泣いて引き返してきます。
しかも、その道の転び方と転びやすいところは学んで帰ってきます。
メリットばかりな気がしてきませんか?
きっかけの一歩先へ
感受性が豊かな子どもは、いろんなところからきっかけを拾い集めてきます。
その一歩先へ、夢の入り口まで、導いてあげてください。
あ、そういえば
確か、親子連れ無料キャンペーンをやってた気がします。
書いて覚えるってホントなの?
こんにちは、いったです。
私は英単語やプレゼンなどを覚える際、書くことをしません。
「書いて覚えろ」といわれたこともありますが、覚えてしまえば一緒だろうと思っているからです。
これは実際どうなのか気になって調べてみました。
「書いて覚える」は漢字のせい?
研究によると、漢字を使う日本人は日常的に書いて覚えることをしますが、英語を使うアメリカ人は書いて覚えることに重きを置いていないようです。
もちろん全くしないことはないですが、
”いっぱいアルファベットのある表の中から「B」だけを探して丸で囲め!”
のようなゲーム形式で覚えることもあるようです。
ここまで見ると、日本人は「書いて覚える」訓練をしているようにも思えますよね。
「書いて覚える力」は鍛えられてるの?
日本では「書いて覚える」はおそらく多数派なので、もし訓練に効果があるのであれば、書くことにはかなり大きな効果が期待できます。
では実際にはどうなのでしょう?
大学生を対象に行った実験では、
①ひらがな ②漢字 ③無意味なつづり(ヘクなど) ④英単語 ⑤発音可能なアルファベットつづり(Gokなど) ⑥発音できないアルファベットつづり(vftなど) ⑦文字(ハングル,漢字,アルファベット)風の図形 ⑧アラビア語の文字
とあったなかで、”読み”より”書き”のほうが思い出せたものは、⑦と⑧のみでした。
つまり、言葉にできないもの、形状を覚えるものについてのみ、効果が認められたのです。
日本人特有の能力?
訓練の力ではないと分かった今、日本人特有の能力でないのは想像できるでしょう。
アメリカ人にも先ほどと同様の実験を行ったところ、日本人の場合と同じように、図形の記憶のみ成績の向上が見られました。
これで、「書く」という行為は図形的なものを覚えるときにのみ活用できることが分かりました。
つまり書くってなんなの?
書くことが図形の記憶に有用だ、というのはなぜなんでしょうか。
それを確認するために、図形を
①書いて覚える
②空書きで覚える(筆跡を残さないため)
③お手本の図形を指でなぞるだけ
④見て覚える
という4つの方法で記憶に差がどうなるかを検証したところ
①>②>③≒④
となっていることが分かりました。
このことから、「書いて覚える」という行為には
よく見る、一時的に覚える、再現してみる、確かめる
という作業が必要であることが分かりました。
活かし方
冒頭に書いて覚えることはしないと書きましたが、実はこれを知ってから、書いてみてもいいかなと思うようになっています。
①覚えたいものをよく見て聞いて
②聞きながら・見ながらではなく
③思い出して書いてみて
④書けていなかったところを確認する
という手順を踏めば、効果があるのでしょう。
つまり「書いて覚えろ」は、
何かを覚えるときはインプットもアウトプットもしなさい
っていうことだったんですね。
なんだか当たり前な気もしますが、意外とアウトプットはおろそかにしがちです。めんどくさいですからね。
でもきっと役に立ちます。私もそのためにブログを書いているようなものです。
何か身に着けたいものや覚えたいものがある方、一緒に頑張りましょう!
参考文献
仲 真紀子(1997). 記憶の方法--書くとよく覚えられるか?-- 遺伝,51,25-29.
子育て中のお父さんに言うと喜ぶ4つのこと・嫌がる3つのこと【批判とほめ】
こんにちは、いったです。
子育てをしていると、夫に何か言いたくなることがあると思います。
世間の母親はどんなことを言っているんでしょう。
今回参考にした調査によると、母親から父親に向けられた言葉・態度には、大きく分けると2つの種類があるようです。
それは、子育てにより積極的になれる促進的なものと、遠ざかりたくなる批判的なものです。
促進①子どもの気持ちの代弁
お父さんはお母さんと比べて子どもとの会話が少ない傾向にあるため、子どももお父さんに素直な気持ちを伝えるのが難しいことがあります。
特に息子とは「あ、うん」(男の気持ちはわかる、など)で話さず、娘とは距離があってはなさない、なんてことがあるでしょう。
そのため、「こないだのあれ、喜んでたよ」といったものや「ありがとうって言ってたよ」などというセリフを言ってもらえると、やっぱり嬉しいみたいです。
伝えているかな?と思うものでも改めて伝えてあげてもいいかもしれません。
促進②接触機会を作る
話す機会が減っている父親を気遣って、話す機会を作ってもらえると嬉しいようです。
例えば、お迎えを任せるとか一緒に買い物に行ってもらう、学校のことについてわかるプリント(学級新聞など)を見せてあげるなどがそれにあたります。
きっかけを作ってあげるイメージですね。
促進③子どものことを相談
これは、本気で相談するという意味よりも、頼ってもらえるとかアドバイスを求められるといったことが嬉しいのだと思います。
例えば、「仕事や進路についてのことを話してみてほしい」や「わたしでは聞かないから○○について叱ってほしい」のようなものです。
あなたの助言が欲しい、あなたに○○を頼みたいといったように、子育てについて頼りにしているということを伝えながら意見を聞いてみるが良さそうです。
促進④父を立てる
③に似ていますが、これは子どもに対してです。お父さんはこんなところがすごいと伝えたり、お父さんの得意なものを子どもに教えてあげる手伝いをしたりですね。
「お母さんはわからないからお父さんに聞いてみて」や「これ作ったのお父さんなんだよ、すごいよねー」といったものがこれにあたります。
お父さんを知る機会だったり、お父さんが自分でいうと自慢げになってしまうものなんかを伝えてあげるのがいいですね。
批判①仲裁・交代される
父親がやっていてうまくいっていないものを母親が代わりに行ったり、子どもとちょっとした言い合いになったときに仲裁に入ったりされると、子育てへの意欲が減ってしまうようです。
子どもが赤ちゃんの頃によくあるのはお風呂や抱っこでしょう。父親がやってすごく泣かれてしまったのに母親がやるとすんなりできる、といったことを経験すると嫌になってしまうようです(私の両親です)。あとは”勉強を教える”時なんかがこれにあたるかもしれません。
直接は言わなくても「あなたは上手じゃないんだから」「そのやり方じゃうまくいかないよ」という雰囲気を感じ取ってしまうのかもしれませんね。
批判②父親の子育て行動への制止・修正
生きていると、他人の言動に対して「それは違う」と思うことがあるでしょう。普段は自分のことでない限りスルー出来ることだと思いますが、我が子のことになるとそうはいきません。
そういったモノの考え方や子育て観の違いから、言動が否定されると、父親は子どもに関わる機会が減っていくようです。
多いのはルールの問題で、あまりに厳しすぎたり、反対に破っているのに怒らなかったりするとついつい言ってしまいがちです。
「なんでそこまで言わなきゃいけないの」、「お小遣いは決まってるんだからそれ以上あげないで」、「小学校の勉強はやらなくてもいいなんて言わないで」あたりはあるあるではないでしょうか。
おかしな点が見つかることはあると思うので、ある程度は仕方ないでしょうね。
批判③間接的に伝える批判の気持ち
今までのものは全て直接言葉にするものでしたが、これは表情や態度によるものです。
真剣に考えているものであるほど夫婦での考え方の違いが気になるものです。また、母親は主観で、父親は客観でとらえている違いもありそうです。
特に子どものことでは、異なる意見を言われると子どもの敵のように感じ、その気持ちは態度にも表れてしまう(あるいはあえて表す)ことがあるでしょう。
この傾向は受験期に多く現れ、受験の話題になると明らかにムッとされてしまう、進路の話になると関わるなという顔をされてしまうなどがあるようです。
例えば、母親は受験期なのにろくに努力をせずだらだらしている子どもを叱るが、父親はやりたいことに真剣になれれば勉強ができなくてもいいと思っている、なんていうときには「そんなこと言ったら甘えるから関わるな」という顔をしてしまうかもしれません。
どちらも子どものことを思っての考えであることは間違いありません。しかしその思い方が異なっているだけなのです。
起こり得るライフイベントへの考え方については、受験期など切迫したタイミングではないときに、一度すり合わせておくべきなのかもしれませんね。
何をどう伝えるのがいいのか
男はプライドが高い生き物、なんて言いますが、ここまで見てくるとむしろ夫はでかい長男というありふれた言葉のほうが適切な気もしてきます。
でもきっとそのでかい長男は、親切にもずっとお母さんに支えられて生きてきた結果誕生したものなのです。
父親を子育てから遠ざけて、父親独自の子育てを奪ってしまうと、自分の子どもまでも将来でかい長男になってしまいかねません。
できるだけほめて積極的に育児に参加してもらい、ぶつかりそうなところは事前にすり合わせておく。こうすることで、でかい長男は面倒見のいい長男になります。
ここまで母親目線で書いていますが、父親は少なからずそういう目で見られるということを念頭に置き、母親に接することが大切だと思います。できる男はきっとそうしています。
はやいうちに男の「プライド」と、うまく付き合う方法を模索していきましょう。
参考文献
加藤 道代・神谷 哲司(2019). 思春期の子どもをもつ母親の夫婦ペアレンティング調整――父親の語りから―― 東北大学大学院教育学研究科研究年報, 68, 121-142.
お母さん、子どもができたら仕事どうする?
こんにちは、いったです。
はたらき方改革などといわれている今でも、女性の働き方はまだまだ柔軟とは言えません。
今回紹介する研究は(2007年のものなので少し古いのですが)、子育て中のお母さんが仕事を続けるかやめるかを決める要因は何なのかを調べたものです。
この研究によると、要因は大きく分けると6つあるようです。
家庭優先
子どもができたらやめるは当然だと思っていた、専業主婦は気楽だと思っていたという積極的なものから、働きながらの家事・育児は難しいと思った、保育園に預けるのはかわいそうだと思ったという消極的なものまでありました。
仕事よりも家庭を優先しようと思ったとき、仕事をやめる要因になるようです。
仕事のやりがい
給料・職場環境がいい、キャリアを中断したくなかったといった辞めなかった理由がありながら、無理して続けたいものでもなかったという辞める理由もあがりました。
仕事の環境は、続けたいと思う理由にも、やめようと思う理由にもなり得るようです。
自立したい
だらだら過ごしたくなかったという感情的なものから、夫だけの収入では厳しいと思った、安心して預けられるできる保育園に空きがあったからという現実的なものまでありました。
自分の力で生きているという感覚をもって過ごしたいお母さんは、仕事を続ける傾向にありそうです。
夫や夫の親からの就労への反対
夫は結婚したら妻が仕事を辞めるものだとおもっていた、夫の親が妻の就労に反対した、夫は妻が働くことで家庭のことがおろそかになるのが嫌だった、といった意見がありました。
かなり役割感の古い意見かと思いますが、夫の親は必然的に世代が異なるので、このような意見を持つ方もいるかもしれません。
いずれにせよ、夫側の意見(場合によっては夫の親も)は早めに確認しておいたほうがいいでしょう。
夫の育児サポート
夫が家事/育児に協力的であった、という意見もありました。この研究では仕事を続ける要因として挙げられていましたが、仮に専業主婦であったとしても、サポートがあるのは精神的にとてもポジティブな影響があるでしょう。
家事に積極的だからこそ専業主婦でいられる(息抜きの時間を作ってくれる)ということも可能性としてはあるかもしれません。
自分の親や周囲の育児サポート
自分の父母の協力を得られた、子が病気などの時でも見ていてくれる人がいたという意見がありました。
社会の都市化・核家族化により、周囲に支えられるという状況は近年少なくなってきていますが、それでもサポートがなければどうしようもない瞬間が訪れたりします。
緊急時のために、頼ることができる人の整理をしておくのもよいかもしれません。
仕事を続けるか、やめるか
「女性は家庭に入る」というステレオタイプが薄れてきている近年では、仕事を続けるかやめるかの選択が結婚ではなく出産のタイミングになっています。
子どもが生まれても仕事は続ける、と思っていても、現実的に可能なのか、ストレスはどの程度か予想できないところもあります。
紹介した6つの要因も参考にしながら、自分自身の環境や夫婦それぞれの意思など、一度腰を据えて考えてみてもよいかもしれません。
良い悪いではなく、のちのち後悔しない選択肢をとれることを願っています。
参考文献
小坂 千秋・柏木 惠子(2007). 育児期女性の就労継続・退職を規定する要因 発達心理学研究, 18(1), 45-54.
【ユーモアの提案】家庭で子どもにどう接していますか
こんにちは、いったです。
最近、塾で生徒を教えているときに思ったことがあります。
「面白い先生は人気が出るけど、教えることは教えなきゃいけない。勉強を教える必要がなければ笑いに全振りしたいのに。」
そう考えると、子どもの成長が”自分事”になる家庭では、小さな失敗でも笑って気にせずいるというのが相当難しいだろうなと思いました。
でも、あれ?楽しむと教えることって分けなきゃ無理かな?とも思いました。
学校も部活も習い事も楽しいけど、やっぱり家庭が一番面白い
ってすごいいいじゃん。
家庭が一番面白いっていいな
そう考えたとき、自分の家庭がそうであることに気が付きました。もちろん両親はお笑い芸人ではないし、関西人でもありません。それでも間違いなく面白いんです。
それは、どんな失敗も受け止めて笑いにしよう、という雰囲気がずっと流れているからです。
失敗をすべて受け入れる、というのはとても難しいです。でも、それができるのはおそらく家庭だけなんです。
さざえさん・クレヨンしんちゃんとドラえもん・ちびまる子ちゃんの違い
家族系のアニメでいうと、上の4つが有名どころかなと思いますが、個人的に子供になりたいと思う家庭はさざえさんの家としんちゃんの家庭です。
ドラえもんやちびまる子ちゃんの家庭は、暖かいところもありますが、常に「親と子」という関係です。教訓のような話で、親子ドラマは見られますが、ユーモアはありません。
サザエさんはどうでしょう。
カツオがしでかした失敗を叱ることはする。しかしそれをいい話では片づけません。必ず最後は引きの絵で「わはははは」となって終わります。
必ず笑顔になる、から見られるんです。どんどんカツオが悪ガキになったりそのうち家を飛び出したりしていては見るほうも耐えられません。
どうやったら笑顔で終われるだろうか。
と考えて
きっと笑顔になるんだ。
と信じる。
家族のメンバーがみんなそう思ってくれていたらこんな素敵なことはありません。
もちろん、楽観的になればいいわけじゃありません。
どうにかなる、ではなく、さてどうなったら笑えるか、です。
皆さんはあのオープニングのように、子どもたちと同じテンションで踊れるでしょうか。
しんちゃんのような皮肉めいたボケに、一つ一つ突っ込めるでしょうか。
ユーモア、どこかにおいて来てませんか?
夫婦の言い合い、原因は何?
こんにちは、いったです。
結婚当初は仲睦まじい夫婦だったのに、子どもを産んだら関係が変わってきたという話はよく聞きます。
いったいなぜなのでしょうか。この現象の一つの原因とも考えられる研究を発見したので紹介します。
話し合い、してますか?
子どもが3~4歳ごろから母親の子育てへの自信が減少し、夫への相談が減少するという研究があります。
その研究を行った方が、同年齢の子ども(3~4歳)を持つ夫婦を対象に調査を行ったところ、子育てに関する話し合いは結婚当初が最も少なく2割弱、妊娠期には半数程度になり、出産後には8割の弱の夫婦で行われていることが分かりました。
しかし夫婦間では納得感にやや差があり、男性の納得した割合は7割強なのに対し、女性は6割5分にとどまりました。
これはいったいなぜなのでしょうか。
それには、相手の子育てに対する批判が関わっていそうです。
批判の受け止め方の違い
話し合いをしていると、どうしても熱が入り「こうしてほしい」とか「どうして○○をするの/しないの?」という意見が出てきます。
実は、このような意見の受け止め方が、男女で異なっているようなのです。
ジャンル別で見ていくと
・落ち込む
男性ー申し訳ない
「ある程度やっているつもりだったのに残念」、「そういわれてもうまくできない」など、求められるレベルの子育てをできていないことに引け目を感じ、申し訳なさを覚えるようです。
女性ーショック
「努力を分かってもらえない」、「全否定されたような気持ち」など、体に鞭を打って戦ってきた努力を否定されたように感じ、悲しい気持ちになることが多いようです。
・攻撃的になる
男性ーそんなことはないだろう!
多少なりとも努力はしている、という部分が認められず、否定されるためやる気がなくなってしまうというような感覚です。理由は”落ち込む”とあまり変わらないので、どちらの選択肢を選ぶか、ということなんでしょうね。
女性ーなにもしないのに!
あきらかに子育てをしている比重が高いのは私なのに批判するのはおかしい、というような、夫の「口だけ感」に不満を感じてしまうようです。こちらも理由としては似ていると思います。
・プラスに受け止める
男性ー妻の意見に尊重する
より多く子どもと接している妻の意見に納得する、という意見もあれば、納得しない部分もあるが従うしかないという消極的な意見もありました。いずれにせよ、子育ての比率が小さいことに引け目を感じて、という意味を含んでいそうです。
女性ー納得・感謝
女性にしかない意見として、”感謝”がありました。自分では気づかなかった改善点などを得られることや、自分と子供のことをしっかり考えてくれているという意見があり、「助言」のように受け止めている方もいるようです。
背景にあるものの考え方
夫婦で批判の受け止め方に違いがあることが分かりましたが、この違いはどこから来るのでしょうか。
調査によると、”相手の意見にどんな背景があると考えているか”の違いが、批判の受け止め方に違いを生み出しているようです。
・男性
性格傾向・育った環境や育児感・家庭内の役割感の違い
・女性
性格傾向・育った環境や育児感・親役割感の違い+夫婦関係のひずみ
男女とも性格の違いや育った環境による”育児”の考え方の違いが挙げられました。しかし赤字で示した部分はどちらかでしか挙がらなかった意見でした。
つまり、男性は育児について「家庭内で役割がある」と考えていて、女性は「親としてどうあるべきか」と考えているようです。
ここに、話し合いがうまくいかない原因がありそうです。
女性目線からすれば「これはやっているのに」という男性の意見は意味を持たず、「親としてこれをやってほしい」と考えている。
男性目線からすれば「親としてこれはやってほしい」とお願いされるものについて「これは苦手だから妻の役割にしてほしい」と考えている。
ということです。
また、女性だけが意見のぶつかりを「夫婦関係のひずみのせい」と考えることがあるようです。女性のほうが、この関係で子育てがうまくやっていけるのか、という長いスパンの視点があるように思えます。
意見をすり合わせるには
この研究を見ると、話し合いの際、かなり直近の子育てについて話し合っていることが多そうです。気になることがあって話し合いになるのでしょうから、意見がぶつかり合うのは避けられないことのように思います。
それが夫婦関係のひずみにつながったり、関係の解消などにつながってしまえば元も子もありません。
気になることがある前に、育児感や育った環境を聴きあい、どんなふうに子育てを考えているかまとめたものを作ってみてもいいかもしれません。
その考えのもとはどんな理由から来ているのか、目標に向かうに別の選択肢はないのかなど、差し迫ったタイミングではないときであれば、冷静に意見を聴けることもあります。
「よし、今日こそは言ってやる」とエネルギーを使う必要がないように、できるだけはやく、「すり合わせておく必要のある考え方の違い」はどんなものがあるのかを、確かめておくのが良いのかもしれませんね。
参考文献
清水 嘉子(2020).育児期にある夫婦ペアレンティング――互いの育児の批判をめぐって―― 日本助産学会誌,Advance online publication. https://doi.org/10.3418/jjam.JJAM-2019-0009