書いて覚えるってホントなの?
こんにちは、いったです。
私は英単語やプレゼンなどを覚える際、書くことをしません。
「書いて覚えろ」といわれたこともありますが、覚えてしまえば一緒だろうと思っているからです。
これは実際どうなのか気になって調べてみました。
「書いて覚える」は漢字のせい?
研究によると、漢字を使う日本人は日常的に書いて覚えることをしますが、英語を使うアメリカ人は書いて覚えることに重きを置いていないようです。
もちろん全くしないことはないですが、
”いっぱいアルファベットのある表の中から「B」だけを探して丸で囲め!”
のようなゲーム形式で覚えることもあるようです。
ここまで見ると、日本人は「書いて覚える」訓練をしているようにも思えますよね。
「書いて覚える力」は鍛えられてるの?
日本では「書いて覚える」はおそらく多数派なので、もし訓練に効果があるのであれば、書くことにはかなり大きな効果が期待できます。
では実際にはどうなのでしょう?
大学生を対象に行った実験では、
①ひらがな ②漢字 ③無意味なつづり(ヘクなど) ④英単語 ⑤発音可能なアルファベットつづり(Gokなど) ⑥発音できないアルファベットつづり(vftなど) ⑦文字(ハングル,漢字,アルファベット)風の図形 ⑧アラビア語の文字
とあったなかで、”読み”より”書き”のほうが思い出せたものは、⑦と⑧のみでした。
つまり、言葉にできないもの、形状を覚えるものについてのみ、効果が認められたのです。
日本人特有の能力?
訓練の力ではないと分かった今、日本人特有の能力でないのは想像できるでしょう。
アメリカ人にも先ほどと同様の実験を行ったところ、日本人の場合と同じように、図形の記憶のみ成績の向上が見られました。
これで、「書く」という行為は図形的なものを覚えるときにのみ活用できることが分かりました。
つまり書くってなんなの?
書くことが図形の記憶に有用だ、というのはなぜなんでしょうか。
それを確認するために、図形を
①書いて覚える
②空書きで覚える(筆跡を残さないため)
③お手本の図形を指でなぞるだけ
④見て覚える
という4つの方法で記憶に差がどうなるかを検証したところ
①>②>③≒④
となっていることが分かりました。
このことから、「書いて覚える」という行為には
よく見る、一時的に覚える、再現してみる、確かめる
という作業が必要であることが分かりました。
活かし方
冒頭に書いて覚えることはしないと書きましたが、実はこれを知ってから、書いてみてもいいかなと思うようになっています。
①覚えたいものをよく見て聞いて
②聞きながら・見ながらではなく
③思い出して書いてみて
④書けていなかったところを確認する
という手順を踏めば、効果があるのでしょう。
つまり「書いて覚えろ」は、
何かを覚えるときはインプットもアウトプットもしなさい
っていうことだったんですね。
なんだか当たり前な気もしますが、意外とアウトプットはおろそかにしがちです。めんどくさいですからね。
でもきっと役に立ちます。私もそのためにブログを書いているようなものです。
何か身に着けたいものや覚えたいものがある方、一緒に頑張りましょう!
参考文献
仲 真紀子(1997). 記憶の方法--書くとよく覚えられるか?-- 遺伝,51,25-29.