音楽聞きながらの勉強って結局どうなの?
こんにちは、いったです。
音楽を聴きながら何かをする、ということってありますよね。
好きな曲を聴きながら家事をしたり、テンションの上がる曲を聴きながら出勤したり、リラックスする音を聞きながらお風呂に入るというのも聞いたことがあります。
これらは、時間を紛らわせるため、元気を出すため、落ち着かせるためなどプラスの効果があるのはなんとなく感覚で分かると思います。
でも、勉強しているときに音楽をかけるのってどうなんでしょう。
ちなみにアルバイト先の塾では、基本的に禁止されています。学校などでもたいていの場合望ましくはないとされているところが多いと思います。
一般的には集中が削がれ、学習効果が下がると言われていますが、実際のところどうなんでしょうか。
音楽を聴くと集中力は上がる?下がる?
普段から音楽を聴きながら勉強をしている大学生(以下ながら君)と普段は音楽を聴かずに勉強をしている大学生(集中君)を対象に実験した結果、ながら君と集中君ともに気が散ってしまうことが分かりました。
集中できるから音楽を聴いてる、という理屈は言えないみたいです。
ではどうして音楽を聴くほうがいいと感じるひとがいるのでしょうか。
適した環境かどうか
音楽を流すことで多少なりとも気が散ることはわかりました。
しかし、その環境が適しているかどうかは人によって異なるということも明らかになっています。
家族の集うリビングで勉強できるタイプと、自室でスイッチを入れないと勉強できないタイプがいる、というと想像できると思います。
つまり、少々ノイズがあり気が散る要素があるほうがかえって心地が良いタイプと、完全に自分だけの世界に入れるほうが心地がいいタイプがいるのです。
後者は外界の音に敏感とも言えますね。
勉強の効果に差はあるの?
ここまでくると、適した環境で勉強したほうが効果があがるという結果が待っていそうですが、今回の実験ではそうはいかなかったようです。
4つの条件(ながら君×音楽,ながら君×無音,集中君×音楽,集中君×無音)に分けて、簡単な記憶課題を課したところ、なんとすべての条件で統計的に有意な差がないことが分かりました。
音楽をかけていることが勉強に影響しない、という驚きの結果になりました。
結局音楽は聴いてていいの?ダメなの?
結論から言えば、人による、ということになります。
確かに今回の研究では影響しないという結果になりましたが、世の中の勉強には暗記以外のものもあり、深い理解を要するものもあります。
そういった際、頻繁に気が散っていてはたまりません。
結局のところ、音楽がいいとか悪いとかの問題ではないのです。
むしろ適した環境を見つけることが、勉強に取り組める時間を長くしたり学習効果を上げるためのカギになるでしょう。
ながら勉強を頭ごなしに否定するのではなく、その環境があっているのかを吟味してあげるようにしてみてもいいかもしれません。
ちなみに私は歌がかかると歌ってしまうので、東宝シネマズの上映前にかかるBGMを聴いて勉強することがあります。おすすめです。
参考文献
菅 千索・後藤 順子(2008). 計算および記憶課題に及ぼす BGM の影響について――被験者の「ながら」習慣の違いに関する検討―― 和歌山大学教育学部教育実践総合センター紀要, 18, 59-68.